学ぶことは生きること 3/26東京セミナー報告

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学ぶことは生きること

ー音の出る漢字カードで読み書き力の習得をー 

東京セミナー(2014/3/26)の内容から


ダブルリミテッドという社会問題の解決に挑む


1992年

学習能力はあるのに、日本語力と経済力が原因で進学を断念し、崩れていった教え子。 高校進学の夢をかなえたい。

2008年

他県から転校してきたフィリピン人を母に持つ小5児童、1年間、日本の学校に通っていたにもかかわらず、1年生の漢字、2割も読めなかった。小牧市ではあり得ないこの状態を見て、外国人指導には専門性が必要だと感じた。30年間自分が取り組み、研究してきた国語教育の技法が日本語教育にも役立つのではないかと思い始めた。

 

*ダブルリミテッドとは、母語 日本語共に未発達な状態

   母語が未発達→親との意思疎通ができなくなる。      

   日本語が未発達→学校教育についていけなくなる

   将来的に家族そろって生活保護対象者になりかねない

母語音声の出る漢字カード制作の意図

入門期に低学年配当漢字をしっかり学べば、その後の漢字学習が順調に進み、日本語の語彙力が高まるであろう。

  • 1年生配当の基礎的な象形文字に由来する漢字を正確に書くことができ、その成り立ちや読み方を身につければ、1,2年生配当漢字の送り仮名、読みかえの仕方、成り立ちを身につくのではないかという仮説を立てた。
  • 5年生の秋までセミリンガル状態だったH子、5ヶ月で漢字カードをすべて学び、256文字の低学年漢字の読み書きができるようになり、6年卒業時には小学校の漢字をすべて一通り学んで中学校に進学した。

 

母語を加味した漢字学習ー母語保持学習でもある
・ ブラジル人学校から転校してきたA児はセミリンガル状態であったが、音の出るカードで 漢字を学んだ。読めない母語ではあるが、聞けば、理解できる。母語を聞くことで、漢字の意味を知り、楽しく勉強していった。

 

突然、ブラジルに帰ることになり、母語学習を始めた。母語保持

A子はアルファベットをかろうじて、なぞり書きできる状態だったが、ポルトガル語の読み書きは全くできない状態だった。漢字カードのポルトガル語を教材とし、学習を始めた。

その1ヶ月後、自分の思いを文章に書き表すことができた。漢字学習のために母語を加味した教材を使っていた。このことが母語学習に役立っていた。

 

思考に使っている言葉を保持する。

3年生の冬までブラジル人学校に在籍していたB男。

5年生の1学期末、(学習日本語教育1年4ヶ月目)

「永遠」という抽象語彙を使い、野外学習の感想文を書きことができた。母語で書いてから、日本語にすることで、自分の思いを文章にできた。

読み書きができる言葉を獲得した子どもは、その思いや考えを表現できる。それを読めば、友だちや教師がその子どもを理解できると同時に、本人も自分の思いを再認識する。それを元に自己を確立し、自律的成長を続けていくことができる。

 

にわとりの会は、これからも子ども達の読み書き力向上を応援します。

東京学習会